アイシーティ合同会社 

目を見開き、真っ青な顔色をしていた




 道路の路肩でスピード違反を取り締まっていた巡査の側を、やたら
とのろい車が通りすぎた。
あまりにも遅くてかえって危険なため、巡査はパトカーで後を追い、
停止を命じた。
車がすぐに停止すると、巡査はパトカーを降りて車に歩み寄り、中を
覗き込んだ。
中には柏木家の5人が乗っていたが、運転していた千鶴以外は、み
な目を見開き、真っ青な顔色をしていた。

運転席の千鶴は、不思議そうに尋ねた。
千鶴「お巡りさん、私はいつも法定速度で走ってますよ。
    今だって法定速度の15q/hで走ってたんですから」
巡査は事情を理解し、微笑みながら言った。
巡査「お嬢さん、あの標識の"15"というのは国道15号線という意味
ですよ」
 その言葉を聞き、千鶴は恥ずかしそうに答えた。
千鶴「そうでしたか。それは失礼しました」
巡査は千鶴に運転に気を付けるように言ってから、一つ気になって
いることを口にした。
巡査「ひとつお伺いしたいのですが」
千鶴「なんですか、お巡りさん?」
巡査「なぜほかの4人の方々はさっきから一言も喋らないのですか?
    何だか全員放心状態のように見えますが」

すると運転席の千鶴が答えた。
千鶴「さっきまで、みんなで楽しくお喋りしてたんですけどね。

    国道254号線に入るまでは」